OIST Admissions Workshop (Ph.D.課程入学面接試験) の振り返り。

沖縄科学技術大学院大学、OISTってご存知でしょうか?*1
ちょっと(いい意味で)変わった大学院でして、

入学すれば、
院生なのに、
月20万もらいながら、
最新の設備に囲まれて研究ができますよ!!

ということで今回は、OIST Admissions Workshop (以下AWS、院試の面接のことです) を通して感じたOISTの素晴らしさについて書いてみることにします。

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OISTのロビーからメインの建物へ入るための長いトンネルの壁面にはこんなメッセージが


 

1日目

まず沖縄についた日、どどーんと広い民泊を用意していただきました。宿の種類は2つあり、両方を体験した友人によると、僕が今回泊まった民泊よりも、もう1つの宿の方がOISTに近くて色々と充実していたそうです。台湾人とコロンビア人でルームメイトが2人いましたが、すぐに仲良くなることができました。僕は今回の宿で十分満足でした!

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泊まったお部屋

 

 

2日目

OISTの見学&説明会です。

ふと窓の外に目を向けるとそこには目の覚めるような鮮やかな海が広がっており、そびえ立つOISTからはどっしりととした研究所としての威厳が感じられ、寮ではあたりの芝生でネコに触れれたりして、とにかくここは楽園か??という感じでした。「ここで5年間研究してええ!」という想いが溢れてくるではありませんか。OISTに到着してたった1日で一目惚れしてしまいました。

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 心が解き放たれる海

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ペットの散歩中。OISTの寮ははペット可です。

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遊んでいる子どもたち

 

 

3日目

待ちに待った面接の日です。

みなさん緊張の面持ちでしたが、いざ面接を終えた人に話を聞いてみると全員笑顔!これは怪しいなと思いながら自分も面接に望みましたが、その理由がわかりました。面接してくれた一流の先生陣みなさんがとても優しく話を聞いてくれるのです!英語が話せないなーと思っている方も大丈夫です!受験生の中では僕も全然話せない方でした。*2しかし、こちらが本気で何かを説明しようと頑張っていることが伝われば、先生も必死になって理解しようとしてくれるのです。(もちろん優しいだけじゃなく、少し厳しい質問や指摘をして下さる場合もあります。しかし、そこでもらったアドバイスが今後の自分の研究を考える上で役に立ったりするのです。)

また、面接が楽しかった!と感じられるもう1つの理由として、こちらが質問するとどの先生も全力で答えてくれた!というのがあります。研究に関して質問をすれば、わざわざパソコンを立ち上げてスライドを見せてくれたり、ホワイトボードを持ってきて説明してくれたり、とにかく「自分の研究がこんなにも面白いんだよ!」ということを熱意を込めて教えてくれるのです。どの先生も自分の研究に並々ならぬ興味を持っていて、そんな方とお話できる機会ってそうそうないので楽しかったです。研究以外でも、具体的に誰のラボに興味があるのか?ということを聞かれたので答えると、僕が指名した先生が実際にPh.D.課程の生徒を取る予定があるのか、その場で調べてくださる方もいました。なんて優しいんだ。

 

 

4日目

観光です。

なんと院試の面接に来たつもりが観光が付いてきます。一般的な日本の大学院入試からは考えられないですね。OISTからバスでゆらゆらと揺られ、万座毛、御菓子御殿、なんでも売ってるホームセンター的なところ、すごく大きな100均など、ただの沖縄観光ツアーを楽しんでました!なんじゃこりゃ~。

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万座毛はなかなかの絶景。

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御菓子御殿ではごちそうにありつけました。

 *3

 

 

 

5日目

この日は特にOISTが用意するプログラムは何もないのですが、関空に帰る飛行機まで時間があったので那覇空港で遊んでました。A&Wルートビア、たしかに湿布の味がしますねー。笑

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おすすめされて行ってみたA&W

 

 

まとめ

なんと行ってもこの沖縄旅行、僕が金銭的に負担したのはほとんどお土産代だけです!那覇までの飛行機や、空港から宿までの移動は手配してくますし、宿からOISTまでは毎日送迎あり、食事もビュッフェスタイルで食べ放題、面接の待ち時間に、紅芋タルトを始めとしたお菓子まで出てきます!

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紅芋タルトおいしい


 

OISTの事務の人がいい人だった話

本題から逸れますが僕がAWSで沖縄に行くその日の朝、関西方面に大きな地震が来てしまいました。僕は関西国際空港から沖縄に行く予定でしたが、空港は動いているものの空港までの交通機関が全てシャットアウトでした。飛行機はOISTが予約してくれていたものでしたが、その便に間に合うかどうかは分かりません。そこでOISTに「緊急事態です」と電話(なんと日本語で対応していただけた!)すると、入試の手続きや飛行機のチケットうんぬんの話は一旦おいといて、まず僕や家族の安全を心配していただきました。本当にそれだけの些細なことですが、その時かなりパニックだった僕にとって、あのように気遣いしていただけたことで、かなり心が落ち着ついたのを覚えています。眼の前の入試にどうやったらたどり着けるのか、ていうかもし面接に遅れていったら合否に影響出るんじゃ、といった不安が消し飛びました。この人たちはPh.D.候補生ひとりひとりに真摯に対応してくれている。入試の面接で自分が不利な状況にならないよう、フェアな対応をしてくださるに違いない。そう信じられた瞬間でした。OISTは設備や周辺環境だけでなく、職員の方も素晴らしいことを強調したいです。

 

 

良いことばかりだと怪しいので、不満を感じた点を1つ:「高齢の先生の研究室には正規に配属ができない」のような情報が事前に周知されていなかった

分野の大御所の方が、定年で退職された後に、OISTにラボを持つパターンがあります。柳田先生や山本先生が良い例ですね。そして、Ph.D.課程の段階から、こちらの方々のようなビッグネームのラボに入って一旗揚げたい!という考えでOISTを目指している方がいるとします。結論から言えば、それはかなり難しいと思います。*4OISTのPh.D.課程では、高齢の先生*5のラボに配属されることが最近できなくなったそうです。確かに、もう高齢でいつ辞めるかもわからない先生のところで研究していて、ラボがなくなったので卒業できない、となったら大変ですから、この方針には賛成できます。しかし、OISTの募集要項やHPを見てその事実を確認できていた受験生がどのくらいいたでしょうか?僕の知る限りでは1人もいません。きちんと周知しておいて欲しかったですね。

→2020年1月追記:この例でわかるように、OISTってまだ新しいので、制度が変わることが頻繁にあります。(初期の頃はもっと大変だったとか…。)僕のブログ記事は一学生の体験記なので、参考にしていただいた上で、是非OISTの大学院窓口にも直接問い合わせて見て下さい!*6入学に興味があるという人の連絡をいつでも待っているはずです!日本語でも英語でもOKです!

 

この記事の続きとして、OIST合格するまでに僕が頑張ったことをまとめています。こちらもどうぞ!

sudachi.hateblo.jp

 

P.S. 参考になるページなど。

先週こちらの記事

reospace2016.hateblo.jp

に出会いまして、それがきっかけで、やっぱりOISTについての情報をレポートしてるブログや体験記がとても少ないなと思い立ち、ならば自分がまとめてしまおうということで重い腰を上げることにしました。

 

より詳しく知りたい方は、こちらの沖縄高専の方のページが現状1番まとまっていると思います。僕も入試の前はこの記事をよく読んでいました。(この記事の中にある3時間の筆記試験は僕の時はありませんでした。) こちらもあわせて読むと詳細がよくイメージができるかと思います。

沖縄科学技術大学院大学(OIST) | 沖縄高専を知ろう

*1:OIST関係の記事を2つ書こうと思っています。1つはOIST Admissions Workshop の素晴らしさ。もう1つは僕がOIST合格のために役立ったと思うことの具体的なまとめです。OIST初めて聞いた方はこの動画に圧倒されてみて下さい。OIST - University of the Future 新時代の教育研究を切り拓く - YouTube

*2:入試前に受けたTOEFLスピーキングスコアは恥ずかしながら14/30でした

*3:最近のAWSでは、ここまで豪華な食事じゃなかったそうです。期待してしまった方ごめんなさい笑

*4:不可能ではなく、難しいと書いたのは、OISTではCo-supervisorという制度があるからです。メインの指導教官は若手の先生にしておいて、サブでもう1人指導教官をつけてアドバイスなどをもらえるというものです。指導を受けることは不可能ではありませんが、がっつりそのラボにコミットすることはできないかも、という説明を受けました(もちろんこれは各先生の方針などによっても変わると思うので断言はできないです。もしかしたら抜け道があるのかも)。1年次のローテーション期間にそのラボを選択して指導を受けることは可能です。

*5:具体的な年齢は覚えていませんが、65歳以上はアウトかな?

*6:どのアドレスにメールしたいいか迷うかもですが、とりあえずどこかにメールしたら適切な部署に転送して下さるので、本当に遠慮せず…!

光療法がミトコンドリアダイナミクスに与える影響 ―レーザーVS LED (Journal of Photochemistry & Photobiology, B: Biology 2018年8月3日オンライン掲載論文)

結論から言うと、糖尿病ラットモデルに対し、レーザーによる光療法をほどこすとコレステロールが増加し、LEDをほどこすとミトコンドリアの分裂融合のバランスがもとに戻ることから、どちらの治療も糖尿病に対してそれなりに効果があるのでは?ということを提案した論文。

 

ということで今回abstractを全訳するのは、2018年8月3日Journal of Photochemistry & Photobiology, B: Biologyにオンライン掲載の「Mitochondrial dynamics (fission and fusion) and collagen production in a rat model of diabetic wound healing treated by photobiomodulation: comparison of 904nm laser and 850nm light-emitting diode (LED). (光による生物学的制御で治療した糖尿病創傷治癒のラットモデルにおけるミトコンドリアダイナミクス(分裂および融合)およびコラーゲン産生:904nmレーザーと850nm発光ダイオード(LED)の比較。)」という論文で、ブラジルFederal University of CearaのDr. José Carlos Tatmatsu-Rochaaの仕事である。*1

 

 

abstract

Objective

Mitochondrial dysfunction has been associated with the development of diabetes mellitus which is characterized by disorders of collagen production and impaired wound healing. This study analyzed the effects of photobiomodulation (PBM) mediated by laser and light-emitting diode (LED) on the production and organization of collagen fibers in an excisional wound in an animal model of diabetes, and the correlation with inflammation and mitochondrial dynamics.

 

Methods

Twenty Wistar rats were randomized into 4 groups of 5 animals. Groups: (SHAM) a control non-diabetic wounded group with no treatment; (DC) a diabetic wounded group with no treatment; (DLASER) a diabetic wounded group irradiated by 904nm pulsed laser (40mW、9500Hz、1min、2.4J); (DLED) a diabetic wounded group irradiated by continuous wave LED 850nm (48mW、22s、1.0J). Diabetes was induced by injection with streptozotocin (70mg / kg). PBM was carried out daily for 5days followed by sacrifice and tissue removal.

 

Results

Collagen fibers in diabetic wounded skin were increased by DLASER but not by DLED. Both groups showed increased blood vessels by atomic force microscopy. Vascular endothelial growth factor (VEGF) was higher and cyclooxygenase (COX2) was lower in the DLED group. Mitochondrial fusion was higher and mitochondrial fusion was lower in DLED compared to DLASER.*2

 

Conclusion

Differences observed between DLASER and DLED may be due to the pulsed laser and CW LED, and to the higher dose of laser. Regulation of mitochondrial homeostasis may be an important mechanism for PBM effects in diabetes.

(私訳と勝手な注釈) 

目的

ミトコンドリア機能不全は、コラーゲン産生障害および創傷治癒障害を特徴とする真性糖尿病*3の発症に関連している。本研究では、糖尿病の動物モデルの切除傷におけるコラーゲン繊維の産生およびアセンブリ、ならびに炎症およびミトコンドリアダイナミクスとの相関を調べるため、レーザーおよび発光ダイオード(LED)によって媒介される光生物調節(PBM)の効果を調査した。

 

方法

20匹のWistarラットを無作為抽出で5匹4群に分けた。グループは次の通り。

(SHAM)野生型。治療をほどこさない、糖尿病性創傷もなし。

(DC)治療をほどこさない、糖尿病性創傷あり (DLASER)904nmパルスレーザ(40mW、9500Hz、1min、2.4J)による治療をほどこした。糖尿病性創傷あり。

(DLED)連続波LED 850nm(48mW、22s、1.0J)による治療をほどこした。糖尿病性創傷あり。

糖尿病はストレプトゾトシン(70mg / kg)を注射して誘導した。 PBMを5日間毎日与えた後、屠殺し、組織を除去した。

 

結果

糖尿病性の傷ついた皮膚におけるコラーゲン線維はDLASERによって増加したが、DLEDでは増加しなかった。両群とも、原子間力顕微鏡法により血管の増加が観察された。 DLED群では血管内皮増殖因子(VEGF)が高く、シクロオキシゲナーゼ(COX2)は低かった。 DLASERと比較して、DLEDでは、ミトコンドリア融合が亢進しており、ミトコンドリア分裂は抑圧されていた。

 

結論

DLASERとDLEDの間で観察される違いは、パルスレーザとCW LEDによる違い及び、より高い線量のレーザーを照射したことによるのかもしれない。ミトコンドリア恒常性の調節は、糖尿病におけるPBM効果の重要なメカニズムとなるだろう。

 

少し変化球で光療法を試してみた論文を紹介してみた。光を与えることで、MFN2やFIS1の発現、コレステロール産生の値が変化するというのはおもしろい。具体的なメカニズムとしては、やはりシトクロムcが光受容にはたらいているのではないかということである。

レーザーやLEDの強度を2, 3点振って実験してみるなどをした結果も見てみたいと思った。

 

*1:Mitochondrial dynamics (fission and fusion) and collagen production in a rat model of diabetic wound healing treated by photobiomodulation: comparison of 904 nm laser and 850 nm light-emitting diode (LED) - ScienceDirect

*2:本文を読む限りこれは打ち間違いかと。正しくはMitochondrial fusion was higher and mitochondrial fisson was lower in DLED compared to DLASER.

*3:diabetes mellitus真性)糖尿病◆【略】DM◆血糖値をコントロールするインスリン膵臓から分泌されるホルモン)の作用不足によって生じる代謝障害。血液中の糖が増加しやすくなり、一定以上に増加すると尿中に糖が出る。◆【語源】mellitusとはラテン語で「蜂蜜のように甘い」という意味で、糖尿病になると「甘い尿」が出るととらえられていた。引用:https://eow.alc.co.jp/search?q=mellitus

ミトコンドリアにタンパク輸送する前に、小胞体を介することでミスを減らす?? (Science 2018年9月14日号掲載論文)

結論から言うと、ミトコンドリア内膜構成タンパク質を細胞質で翻訳してミトコンドリアに届ける際に、あえてER表面に迂回させることで、ER表面にあるシャペロンにミスフォールディングを直させていることを示した論文。

 

ということで今回abstractを全訳するのは、2018年9月14日号Scienceに掲載の「An ER surface retrieval pathway safeguards the import of mitochondrial membrane proteins in yeast. (小胞体表面における回収経路は、酵母におけるミトコンドリア膜タンパク質のインポートに保護的にはたらく。)」という論文で、ドイツUniversity of KaiserslauternのDr. Johannes M. Herrmannの仕事である。*1

 

論文の視覚的なイメージにはFig. 4K. Mitochondria can import Oxa1 precursor directly. However, in vivo, a fraction of Oxa1 associates with the ER surface.を見るとよいと思いますので、そちらも参考に。

 

Abstract

The majority of organellar proteins are translated on cytosolic ribosomes and must be sorted correctly to function. Targeting routes have been identified for organelles such as peroxisomes and the endoplasmic reticulum (ER). However, little is known about the initial steps of targeting of mitochondrial proteins. In this study, we used a genome-wide screen in yeast and identified factors critical for the intracellular sorting of the mitochondrial inner membrane protein Oxa1. The screen uncovered an unexpected path, termed ER-SURF, for targeting of mitochondrial membrane proteins. This pathway retrieves mitochondrial proteins from the ER surface and reroutes them to mitochondria with the aid of the ER-localized chaperone Djp1. Hence, cells use the expanse of the ER surfaces as a fail-safe to maximize productive mitochondrial protein targeting.

(私訳と勝手な注釈) 

オルガネラタンパク質の大部分は、細胞質のリボソーム上で翻訳され、正しく機能するように仕分けされなければならない。ペルオキシソームおよび小胞体(ER)のようなオルガネラについては 標的化の経路が同定されている。 しかしながら、ミトコンドリアタンパク質の標的化の初期段階についてはほとんど知られていない。 この論文では、酵母でゲノムワイドスクリーニングを行い、ミトコンドリア内膜タンパク質Oxa1が細胞内で仕分けされるために、決定的な役割をはたす因子を同定した。 ミトコンドリア膜タンパク質を標的化するために、予想もしなかった経路がスクリーニングに現れ、著者らはこれをER-SURFと名付けた (由来はER surfacemediated protein targetingから)。 この経路では、ER表面からミトコンドリアタンパク質が回収され、ERに局在するシャペロンDjp1の手当を介した後、ミトコンドリアに目標を切り替えて、それらを標的化する。 したがって、細胞は最大限の健常なミトコンドリアタンパク質を標的化するための、フェイルセーフ*2としてER表面の広がりを利用していることが明らかとなった。

 

前回のこの記事で

sudachi.hateblo.jp

ミトコンドリアの生合成について取り上げたが、ちょうど昨日のScienceにミトコンドリアのタンパク質がどのようにして細胞質から運ばれるのか、という経路を明らかにした論文が出ていた。タンパク質を細胞質で翻訳して、わざわざ目的地のミトコンドリアではなく、ERに迂回するという発想には驚いた。しかも、この論文が単に輸送経路を明らかにしただけのものだと思って読んでいると、ミトコンドリアの品質管理にも関連しているというのだから面白い。今まで全く異なる細胞小器官だと思っていたミトコンドリアとERが、タンパク標的化という場面においては協調してはたらいているのである。ほんとうに生命とはよく出来ているものだ。

ここでひとつ疑問に思ったのは、これほど素晴らしい機構が存在していることが明らかになった、でもそれならミトコンドリア以外のタンパク質に関してもそういう機構があっていいのでは?ということである。何かミトコンドリアだけを優先して保護する意義があったのか、他のタンパク質に関してもまだ見つかっていないだけで存在するのか、この論文から知るところではないが、今後の研究にも注目したいと思った。

*1:An ER surface retrieval pathway safeguards the import of mitochondrial membrane proteins in yeast | Science

*2:何か不具合が発生したときに、自動的に正しい状態に移行させる設計のこと

ミトコンドリア、マイトファジーと生合成のバランスはどう保つ? (Nature 2015年5月28日号掲載論文)

結論から言うと、マイトファジーミトコンドリアの生合成が協調してはたらくシグナル経路を明らかにした論文。

 

ということで今回abstractを全訳するのは、2015年5月28日号Natureに掲載の「Coordination of mitophagy and mitochondrial biogenesis during ageing in C. elegans. (C. elegansにおける老化中のマイトファジーミトコンドリア生合成の制御。)」という論文で、ギリシャFoundation for Research & Technology – Hellas (FORTH) のDr. Nektarios Tavernarakisの仕事である。*1

 

論文の視覚的なイメージにはミトコンドリアのバランス良い分解と生合成が長寿の秘訣|2015年8月号|News & Hot Paper Digest|実験医学online:羊土社を見るとよいと思いますので、そちらも参考に。*2

 

 

abstract

Impaired mitochondrial maintenance in disparate cell types is a shared hallmark of many human pathologies and ageing. How mitochondrial biogenesis coordinates with the removal of damaged or superfluous mitochondria to maintain cellular homeostasis is not well understood. Here we show that mitophagy, a selective type of autophagy targeting mitochondria for degradation, interfaces with mitochondrial biogenesis to regulate mitochondrial content and longevity in Caenorhabditis elegans. We find that DCT-1 is a key mediator of mitophagy and longevity assurance under conditions of stress in C. elegans. Impairment of mitophagy compromises stress resistance and triggers mitochondrial retrograde signalling through the SKN-1 transcription factor that regulates both mitochondrial biogenesis genes and mitophagy by enhancing DCT-1 expression. Our findings reveal a homeostatic feedback loop that integrates metabolic signals to coordinate the biogenesis and turnover of mitochondria. Uncoupling of these two processes during ageing contributes to overproliferation of damaged mitochondria and decline of cellular function.

(私訳と勝手な注釈) 

ミトコンドリアの障害に対しての維持管理は、異なる種類の細胞においても、多くのヒトの疾患および老化の共通の特徴である。細胞内恒常性を維持するために、ミトコンドリアの生合成が過剰または損傷したミトコンドリアの除去とどのようにしてバランスしているのかは十分に理解されていない。この論文では、マイトファジー*3が、ミトコンドリアの生合成とミトコンドリアの内容物および寿命を調節するために相互作用することがC. elegansで示された。著者らは、DCT-1が線虫のストレス条件下でのマイトファジーおよび寿命を担保するための重要なメディエーターであることを見出した。 マイトファジーの機能障害は、ストレス耐性を損ない、DCT-1の発現レベルを上昇させることによってミトコンドリア生合成遺伝子およびマイトファジー遺伝子の両方を制御する、SKN-1転写因子を介して、ミトコンドリア逆行シグナル伝達を誘発する。これらの発見により、ミトコンドリアの生合成とターンオーバーを調整するために代謝シグナルを統合するホメオスタシスフィードバックループが明らかとなった。老化中のこれらの2つのプロセスのバランスが崩れると、損傷したミトコンドリアの過剰増殖および細胞機能の低下につながる。

 

このブログで何度も取り上げて来たマイトファジーだが、ふとした疑問として浮かび上がって来るのが、「マイトファジーミトコンドリア除去したら、ミトコンドリア足りなくならないの?」というものである。想像する答えは、

  1. ミトコンドリアの分裂によってミトコンドリアの数が増え、分裂したそれぞれのミトコンドリアが自己成長により大きくなり、もとの状態に戻る。
  2. ミトコンドリアという細胞小器官が、細胞内で新たに生合成されることで、もとの状態に戻る。

僕は今まで漠然と1だと思っていた。しかし、そもそもミトコンドリアが自己成長するとはありえるのだろうか。そのような記述のある文献を探しているが出会ったことはない。この論文では2が具体的に示されていた。*4健常なミトコンドリアの数を維持するために、どのようにしてマイトファジーミトコンドリア生合成のバランスが取られているのかというと、マイトファジーが欠損した際に、それを補う形でミトコンドリア生合成が亢進する経路が存在する。具体的にはマイトファジーが低下した際に、機能不全ミトコンドリアの蓄積による活性酸素種の増加に応答してSKN-1が活性化し、ミトコンドリア生合成とマイトファジー促進にはたらく、といった具合である。

生命にこのような素晴らしい機構があることには驚いた。しかし一方で、ミトコンドリアの障害が原因で病気になってしまうということは、ミトコンドリア病の患者さんにおいては、このような機構をも越えてしまうような異常が起きているということである。なるほど病気を治すのが難しいのにも納得してしまった。

 

*1:Coordination of mitophagy and mitochondrial biogenesis during ageing in C. elegans | Nature

*2:このurl先がとても良くまとまって書かれていました。今回の記事はいくつかのポイントでこのサイトを参考にして作成しています

*3:ミトコンドリア分解のためにミトコンドリアを標的とするタイプの選択的なオートファジー

*4:そもそもミトコンドリアが新たに生合成されるという事実を今まで強く意識したことがなかったので認識を改めたい。

NAD+を増やしてミトコンドリア病を治す (Cell Metabolism 2014年6月3日号掲載論文)

結論から言うと、NAD+の補填または消費抑制が、「NAD+レベル上昇→Sirt1活性上昇→ミトコンドリア関連タンパク質を脱アセチル化により活性化→COXの活性回復」という経路で、Sco2ミトコンドリア病マウスモデルの表現型をレスキューすることを示した論文。

 

ということで今回abstractを全訳するのは、2014年6月3日号Cell Metabolismに掲載の「NAD(+)-dependent activation of Sirt1 corrects the phenotype in a mouse model of mitochondrial disease. (NAD(+)に依存したSirt1の活性化は、ミトコンドリア病マウスモデルの表現型をレスキューする。)」という論文で、イタリアInstitute of Research and Treatment (IRCCS) のDr. Massimo Zevianiの仕事である。*1

 

論文の視覚的なイメージがこちら。

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graphical abstract

 

abstract

Mitochondrial disorders are highly heterogeneous conditions characterized by defects of the mitochondrial respiratory chain. Pharmacological activation of mitochondrial biogenesis has been proposed as an effective means to correct the biochemical defects and ameliorate the clinical phenotype in these severely disabling, often fatal, disorders. Pathways related to mitochondrial biogenesis are targets of Sirtuin1, a NAD(+)-dependent protein deacetylase. As NAD(+) boosts the activity of Sirtuin1 and other sirtuins, intracellular levels of NAD(+) play a key role in the homeostatic control of mitochondrial function by the metabolic status of the cell. We show here that supplementation with nicotinamide riboside, a natural NAD(+) precursor, or reduction of NAD(+) consumption by inhibiting the poly(ADP-ribose) polymerases, leads to marked improvement of the respiratory chain defect and exercise intolerance of the Sco2 knockout/knockin mouse, a mitochondrial disease model characterized by impaired cytochrome c oxidase biogenesis. This strategy is potentially translatable into therapy of mitochondrial disorders in humans.

(私訳と勝手な注釈) 

ミトコンドリア病は、ミトコンドリア呼吸鎖の欠陥を特徴とする非常に不均一な状態を伴う疾患である。ミトコンドリア生合成の薬理学的な活性化は、しばしば致命的な疾患における、生化学的な障害や臨床表現型をレスキューする有効な手段として提案されている。ミトコンドリア生合成に関連する経路は、NAD(+)依存性タンパク質脱アセチル化酵素であるSirtuin1*2の標的である。NAD(+)はSirtuin1および他のサーチュインの活性を高めるので、NAD(+)の細胞内レベルは、細胞の代謝状態に基づいたミトコンドリア機能の恒常性制御に重要な役割を果たす。著者らは、天然NAD(+)前駆体であるニコチンアミドリボシドの補填またはポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼを阻害によるNAD(+)消費抑制が、ミトコンドリア呼吸鎖の障害および、シトクロムcオキシダーゼの生合成障害が特徴のミトコンドリア病疾患モデルSco2ノックアウト/ノックインマウス*3の運動機能障害に対する、著しい改善を示した。この戦略をヒトにおけるミトコンドリア障害の治療に応用できるかもしれない。

 

ミトコンドリア病をレスキューするための方策として、NAD+の補填 or 消費抑制はどうか?ということを検討した論文で、マウスでこれだけきれいな結果が得られているからには、様々な他のミトコンドリア病原因遺伝子の機能低下による表現型や、実際の患者さんへの応用が期待できる。

一方で、Pgc1αの活性は転写後に修飾をうけるため、transcriptレベルでは変化なかったことを示し、予想通りの結果が得られたと結論しているが、graphical abstractに載せる程の強調したい結果なら、アセチル化のレベルなどの方法で活性をきちんと定量した方が良いのではないか、と疑問が残った。

 

*1:https://www.cell.com/article/S1550-4131(14)00164-8/abstract

*2:サーチュインはHDAC1

*3:SCO2のマウスモデルについて、完全nullKOは胚性致死で死んでしまうが、KOした上でmutationを持つSCO2KIすると、運動機能とCOXの活性が落ちて、解析に使える。

マイトファジーにおける、LC3とカルジオリピンの相互作用は何によって制御されている? (Autophagy 2016年11月7日オンライン掲載論文)

結論から言うと、「マイトファジーを作動させるための"eat-me"シグナル:カルジオリピン」のLC3との相互作用は、静電気力とカルジオリピンの膜流動性の変化の両方によって制御されているとを示した論文。

 

ということで今回abstractを全訳するのは、2016年11月7日号Autophagyにオンライン掲載の「Human Atg8-cardiolipin interactions in mitophagy: Specific properties of LC3B, GABARAPL2 and GABARAP. (マイトファジーにおけるヒトAtg8-カルジオリピン相互作用:LC3B、GABARAPL2およびGABARAPの特徴的な性質。)」という論文で、スペインUniversity of the Basque CountryのDr.Alicia Alonsoの仕事である。*1

 

論文の視覚的なイメージには、前回同様 Figure 6. Schematic diagram summarizing the proposed role of CL in mitochondrial autophagy. を参考にすると良いと思います。

 

abstract

The phospholipid cardiolipin (CL) has been proposed to play a role in selective mitochondrial autophagy, or mitophagy. CL externalization to the outer mitochondrial membrane would act as a signal for the human Atg8 ortholog subfamily, MAP1LC3 (LC3). The latter would mediate both mitochondrial recognition and autophagosome formation, ultimately leading to removal of damaged mitochondria. We have applied quantitative biophysical techniques to the study of CL interaction with various Atg8 human orthologs, namely LC3B, GABARAPL2 and GABARAP. We have found that LC3B interacts preferentially with CL over other di-anionic lipids, that CL-LC3B binding occurs with positive cooperativity, and that the CL-LC3B interaction relies only partially on electrostatic forces. CL-induced increased membrane fluidity appears also as an important factor helping LC3B to bind CL. The LC3B C terminus remains exposed to the hydrophilic environment after protein binding to CL-enriched membranes. In intact U87MG human glioblastoma cells rotenone-induced autophagy leads to LC3B translocation to mitochondria and subsequent delivery of mitochondria to lysosomes. We have also observed that GABARAP, but not GABARAPL2, interacts with CL in vitro. However neither GABARAP nor GABARAPL2 were translocated to mitochondria in rotenone-treated U87MG cells. Thus the various human Atg8 orthologs might play specific roles in different autophagic processes.

(私訳と勝手な注釈) 

リン脂質カルジオリピン(CL)は、選択的なミトコンドリアのオートファジー、すなわちマイトファジーにおいて機能を持つことが提案されている。ミトコンドリア外膜へのCL移動が、ヒトAtg8オルソログサブファミリーであるMAP1LC3(LC3)のシグナルとして作用すると予測される。LC3ミトコンドリア認識とオートファゴソーム形成の両方の反応を仲介し、最終的には損傷したミトコンドリアを除去する。我々は、LC3B、GABARAPL2およびGABARAPといった様々なAtg8ヒトオルソログとCLとの相互作用ついて調査するため、定量的生物物理学的な技術を適用した。著者らは、LC3Bが他の2価陰イオン性脂質よりもCLと優先的に相互作用し、CL-LC3B結合が正の協同性*2で起こり、CL-LC3B相互作用が静電気力には部分的にしか依存しないことを見出した。 CLによって誘導される膜流動性の増加は、LC3BがCLに結合するのを助ける重要な因子として考えることもできる。 LC3BのC末端は、CLリッチな膜とのタンパク質結合後において、親水性環境にさらされたままになっている。異常のないU87MGヒト神経膠芽腫細胞において、ロテノン誘導性のオートファジーは、LC3Bのミトコンドリアへの移行および、その後のリソソームへのミトコンドリアの送達を引き起こす。著者らは、GABARAPL2ではなくGABARAPが、in vitroでCLと相互作用することも確認した。しかし、GABARAPもGABARAPL2も、ロテノン処理したU87MG細胞ではミトコンドリアに移行しなかった。以上のことをふまえると、様々なヒトAtg8オルソログが、オートファジーの異なる段階で、それぞれ特定の役割を果たしているかもしれない。

 

 前回の記事の続きの論文で、ヒトのオーソログにまで話を拡張し、どのオーソログが大事なのか?という疑問に答えようと試みた論文。なかなか研究と言うのは難しく、きれいな結果を示しはっきりとした1つの答えが得られた、という論文ではなかったように思う。

*1:https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/15548627.2016.1240856

*2:すでに結合があれば、さらなる結合が促進されるという性質

リン脂質カルジオリピンのミトコンドリア外膜への移動が、マイトファジーの引き金となる (nature cell biology 2013年11月10日号掲載論文)

結論から言うと、ミトコンドリアの外膜にカルジオリピンが移動することが、マイトファジーを作動させるための"eat-me"シグナルであることを示した論文。

 

ということで今回abstractを全訳するのは、2013年11月10日号nature cell biologyに掲載の「Cardiolipin externalization to the outer mitochondrial membrane acts as an elimination signal for mitophagy in neuronal cells. (ミトコンドリア外膜へのカルジオリピンの移動は、神経細胞におけるマイトファジーミトコンドリア排除シグナルとして作用する。)」という論文で、米国University of PittsburghのDr. Valerian E. Kaganの仕事である。*1

 

論文の視覚的なイメージには、Figure 6. Schematic diagram summarizing the proposed role of CL in mitochondrial autophagy. を参考にすると良いと思います。

 

abstract

Recognition of injured mitochondria for degradation by macroautophagy is essential for cellular health, but the mechanisms remain poorly understood. Cardiolipin is an inner mitochondrial membrane phospholipid. We found that rotenone, staurosporine, 6-hydroxydopamine and other pro-mitophagy stimuli caused externalization of cardiolipin to the mitochondrial surface in primary cortical neurons and SH-SY5Y cells. RNAi knockdown of cardiolipin synthase or of phospholipid scramblase-3, which transports cardiolipin to the outer mitochondrial membrane, decreased the delivery of mitochondria to autophagosomes. Furthermore, we found that the autophagy protein microtubule-associated-protein-1 light chain 3 (LC3), which mediates both autophagosome formation and cargo recognition, contains cardiolipin-binding sites important for the engulfment of mitochondria by the autophagic system. Mutation of LC3 residues predicted as cardiolipin-interaction sites by computational modelling inhibited its participation in mitophagy. These data indicate that redistribution of cardiolipin serves as an 'eat-me' signal for the elimination of damaged mitochondria from neuronal cells.

(私訳と勝手な注釈) 

マクロオートファジーによる分解を行うために、傷ついたミトコンドリアを認識することは、細胞の健康にとって必要不可欠であるが、メカニズムはあまり理解されていないままである。カルジオリピンはミトコンドリア内膜リン脂質である。著者らは、ロテノン、スタウロスポリン、6-ヒドロキシドーパミン、および他のプロマイトファジー刺激*2が、皮質ニューロンの初代培養細胞およびSH-SY5Y細胞において、ミトコンドリア表面へのカルジオリピンの移動を引き起こすことを見出した。カルジオリピンシンターゼまたはカルジオリピンをミトコンドリア外膜に輸送するリン脂質スクランブレース-3のRNAiノックダウンは、ミトコンドリアへのオートファゴソームの輸送を減少させた。さらに、オートファゴソームの形成およびカーゴの認識の両方を媒介するオートファジータンパク質である微小管関連タンパク質-1軽鎖 3(LC3)が、カルジオリピン結合部位を含み、それがマイトファジーに重要なはたらきをすることを見出した。計算モデリングにより、カルジオリピン相互作用部位として予測されたLC3残基の突然変異は、LC3がマイトファジーへ関与することを阻害した。これらのデータは、カルジオリピンのミトコンドリア外膜へ移動が、神経細胞から損傷したミトコンドリアを排除するための"eat-me"シグナルとして機能することを示している。

 

 少し古い論文だが読む価値があったと思う。

このブログでも過去2回ほど取り上げたことのあるカルジオリピンが、マイトファジーのトリガーであるということを示した論文だ。カルジオリピンについてあまり理解しないままカルジオリピン関連の論文を読んでしまっていたが、改めてカルジオリピンについて調べてみると以下の日本語の総説が見つかった。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/yakushi/133/5/133_13-00052/_pdf/-char/ja

導入の部分を参考にすると、

カルジオリピンは他のリン脂質とは大きく異なる、ミトコンドリアに固有のリン脂質であり、ミトコンドリア膜タンパク質の高次構造の維持と活性の調節、ミトコンドリア特有の構造であるコンタクトサイト*3やクリステの構築、ミトコンドリア融合やアポトーシスの制御など多彩な機能を有している。

以上のことを考えると、やはりカルジオリピンが神経変性疾患ミトコンドリア病に深く関わっているのだろうということに確信が持てた。

 

なお著者らはディスカッションで、酸化されたCLアポトーシス促進因子の放出に必要であることから、もしマイトファジーが適切にはたらかずに取り残された場合、CLが酸化されることでアポトーシスが起こり、その細胞を死に向かわせるのではないかと述べている。なるほどもしそうであるとしたら、細胞というものはよく出来ているものだなあと感心した。

 

ちなみに、こちらの記事を読むとミトコンドリアの基本事項について良くおさらいできた。

ミトコンドリアの構造 (1): 梵の隠れ家

 

*1:Cardiolipin externalization to the outer mitochondrial membrane acts as an elimination signal for mitophagy in neuronal cells | Nature Cell Biology

*2:マイトファジーを引き起こす刺激

*3:ミトコンドリア内膜と外膜が接合、あるいは融合して、二重の層ではなくなっている部分