OIST Admissions Workshop (Ph.D.課程入学面接試験) の振り返り。

沖縄科学技術大学院大学、OISTってご存知でしょうか?*1
ちょっと(いい意味で)変わった大学院でして、

入学すれば、
院生なのに、
月20万もらいながら、
最新の設備に囲まれて研究ができますよ!!

ということで今回は、OIST Admissions Workshop (以下AWS、院試の面接のことです) を通して感じたOISTの素晴らしさについて書いてみることにします。

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OISTのロビーからメインの建物へ入るための長いトンネルの壁面にはこんなメッセージが


 

1日目

まず沖縄についた日、どどーんと広い民泊を用意していただきました。宿の種類は2つあり、両方を体験した友人によると、僕が今回泊まった民泊よりも、もう1つの宿の方がOISTに近くて色々と充実していたそうです。台湾人とコロンビア人でルームメイトが2人いましたが、すぐに仲良くなることができました。僕は今回の宿で十分満足でした!

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泊まったお部屋

 

 

2日目

OISTの見学&説明会です。

ふと窓の外に目を向けるとそこには目の覚めるような鮮やかな海が広がっており、そびえ立つOISTからはどっしりととした研究所としての威厳が感じられ、寮ではあたりの芝生でネコに触れれたりして、とにかくここは楽園か??という感じでした。「ここで5年間研究してええ!」という想いが溢れてくるではありませんか。OISTに到着してたった1日で一目惚れしてしまいました。

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 心が解き放たれる海

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ペットの散歩中。OISTの寮ははペット可です。

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遊んでいる子どもたち

 

 

3日目

待ちに待った面接の日です。

みなさん緊張の面持ちでしたが、いざ面接を終えた人に話を聞いてみると全員笑顔!これは怪しいなと思いながら自分も面接に望みましたが、その理由がわかりました。面接してくれた一流の先生陣みなさんがとても優しく話を聞いてくれるのです!英語が話せないなーと思っている方も大丈夫です!受験生の中では僕も全然話せない方でした。*2しかし、こちらが本気で何かを説明しようと頑張っていることが伝われば、先生も必死になって理解しようとしてくれるのです。(もちろん優しいだけじゃなく、少し厳しい質問や指摘をして下さる場合もあります。しかし、そこでもらったアドバイスが今後の自分の研究を考える上で役に立ったりするのです。)

また、面接が楽しかった!と感じられるもう1つの理由として、こちらが質問するとどの先生も全力で答えてくれた!というのがあります。研究に関して質問をすれば、わざわざパソコンを立ち上げてスライドを見せてくれたり、ホワイトボードを持ってきて説明してくれたり、とにかく「自分の研究がこんなにも面白いんだよ!」ということを熱意を込めて教えてくれるのです。どの先生も自分の研究に並々ならぬ興味を持っていて、そんな方とお話できる機会ってそうそうないので楽しかったです。研究以外でも、具体的に誰のラボに興味があるのか?ということを聞かれたので答えると、僕が指名した先生が実際にPh.D.課程の生徒を取る予定があるのか、その場で調べてくださる方もいました。なんて優しいんだ。

 

 

4日目

観光です。

なんと院試の面接に来たつもりが観光が付いてきます。一般的な日本の大学院入試からは考えられないですね。OISTからバスでゆらゆらと揺られ、万座毛、御菓子御殿、なんでも売ってるホームセンター的なところ、すごく大きな100均など、ただの沖縄観光ツアーを楽しんでました!なんじゃこりゃ~。

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万座毛はなかなかの絶景。

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御菓子御殿ではごちそうにありつけました。

 *3

 

 

 

5日目

この日は特にOISTが用意するプログラムは何もないのですが、関空に帰る飛行機まで時間があったので那覇空港で遊んでました。A&Wルートビア、たしかに湿布の味がしますねー。笑

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おすすめされて行ってみたA&W

 

 

まとめ

なんと行ってもこの沖縄旅行、僕が金銭的に負担したのはほとんどお土産代だけです!那覇までの飛行機や、空港から宿までの移動は手配してくますし、宿からOISTまでは毎日送迎あり、食事もビュッフェスタイルで食べ放題、面接の待ち時間に、紅芋タルトを始めとしたお菓子まで出てきます!

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紅芋タルトおいしい


 

OISTの事務の人がいい人だった話

本題から逸れますが僕がAWSで沖縄に行くその日の朝、関西方面に大きな地震が来てしまいました。僕は関西国際空港から沖縄に行く予定でしたが、空港は動いているものの空港までの交通機関が全てシャットアウトでした。飛行機はOISTが予約してくれていたものでしたが、その便に間に合うかどうかは分かりません。そこでOISTに「緊急事態です」と電話(なんと日本語で対応していただけた!)すると、入試の手続きや飛行機のチケットうんぬんの話は一旦おいといて、まず僕や家族の安全を心配していただきました。本当にそれだけの些細なことですが、その時かなりパニックだった僕にとって、あのように気遣いしていただけたことで、かなり心が落ち着ついたのを覚えています。眼の前の入試にどうやったらたどり着けるのか、ていうかもし面接に遅れていったら合否に影響出るんじゃ、といった不安が消し飛びました。この人たちはPh.D.候補生ひとりひとりに真摯に対応してくれている。入試の面接で自分が不利な状況にならないよう、フェアな対応をしてくださるに違いない。そう信じられた瞬間でした。OISTは設備や周辺環境だけでなく、職員の方も素晴らしいことを強調したいです。

 

 

良いことばかりだと怪しいので、不満を感じた点を1つ:「高齢の先生の研究室には正規に配属ができない」のような情報が事前に周知されていなかった

分野の大御所の方が、定年で退職された後に、OISTにラボを持つパターンがあります。柳田先生や山本先生が良い例ですね。そして、Ph.D.課程の段階から、こちらの方々のようなビッグネームのラボに入って一旗揚げたい!という考えでOISTを目指している方がいるとします。結論から言えば、それはかなり難しいと思います。*4OISTのPh.D.課程では、高齢の先生*5のラボに配属されることが最近できなくなったそうです。確かに、もう高齢でいつ辞めるかもわからない先生のところで研究していて、ラボがなくなったので卒業できない、となったら大変ですから、この方針には賛成できます。しかし、OISTの募集要項やHPを見てその事実を確認できていた受験生がどのくらいいたでしょうか?僕の知る限りでは1人もいません。きちんと周知しておいて欲しかったですね。

→2020年1月追記:この例でわかるように、OISTってまだ新しいので、制度が変わることが頻繁にあります。(初期の頃はもっと大変だったとか…。)僕のブログ記事は一学生の体験記なので、参考にしていただいた上で、是非OISTの大学院窓口にも直接問い合わせて見て下さい!*6入学に興味があるという人の連絡をいつでも待っているはずです!日本語でも英語でもOKです!

 

この記事の続きとして、OIST合格するまでに僕が頑張ったことをまとめています。こちらもどうぞ!

sudachi.hateblo.jp

 

P.S. 参考になるページなど。

先週こちらの記事

reospace2016.hateblo.jp

に出会いまして、それがきっかけで、やっぱりOISTについての情報をレポートしてるブログや体験記がとても少ないなと思い立ち、ならば自分がまとめてしまおうということで重い腰を上げることにしました。

 

より詳しく知りたい方は、こちらの沖縄高専の方のページが現状1番まとまっていると思います。僕も入試の前はこの記事をよく読んでいました。(この記事の中にある3時間の筆記試験は僕の時はありませんでした。) こちらもあわせて読むと詳細がよくイメージができるかと思います。

沖縄科学技術大学院大学(OIST) | 沖縄高専を知ろう

*1:OIST関係の記事を2つ書こうと思っています。1つはOIST Admissions Workshop の素晴らしさ。もう1つは僕がOIST合格のために役立ったと思うことの具体的なまとめです。OIST初めて聞いた方はこの動画に圧倒されてみて下さい。OIST - University of the Future 新時代の教育研究を切り拓く - YouTube

*2:入試前に受けたTOEFLスピーキングスコアは恥ずかしながら14/30でした

*3:最近のAWSでは、ここまで豪華な食事じゃなかったそうです。期待してしまった方ごめんなさい笑

*4:不可能ではなく、難しいと書いたのは、OISTではCo-supervisorという制度があるからです。メインの指導教官は若手の先生にしておいて、サブでもう1人指導教官をつけてアドバイスなどをもらえるというものです。指導を受けることは不可能ではありませんが、がっつりそのラボにコミットすることはできないかも、という説明を受けました(もちろんこれは各先生の方針などによっても変わると思うので断言はできないです。もしかしたら抜け道があるのかも)。1年次のローテーション期間にそのラボを選択して指導を受けることは可能です。

*5:具体的な年齢は覚えていませんが、65歳以上はアウトかな?

*6:どのアドレスにメールしたいいか迷うかもですが、とりあえずどこかにメールしたら適切な部署に転送して下さるので、本当に遠慮せず…!