ER-phagyの制御因子としてFAM134Bを同定 (Nature 2015年6月3日号掲載論文)

結論から言うと、FAM134Bはオートファジー制御因子LC3/GAVARAPと結合してER-phagyを促進すること、FAM134Bの変異では、ER-phagyの不全によりストレス誘導性の細胞死が起こり、感覚神経の変性を導くことを示した論文。

 

本日は Regulation of endoplasmic reticulum turnover by selective autophagy. という論文で、ドイツ Institute of Biochemistry II University Hospital Frankfurt Goethe University の Dr. Ivan Dikic のグループ。(どういったラボ?→*1)による研究。(論文サイトへのlink→*2

 

 構造に分けて解説。

背景       ERファジーによるコンスタントなERのターンオーバーは様々なストレスに応答するために重要である。
本研究で注目したFAM134Bは変異により感覚神経障害を引き起こすことが知られている。

課題       ERファジーの分子機構はまだ詳しく分かっていない。

結果①   FAM134Bは、tube ERマーカータンパク質(Rtn4)よりもsheet ERマーカータンパク質(CLIMP63)と共局在する度合いが大きい(Rtn4とも50%くらいは共局在する)
補足:ここで示してないですが、FAM134BはLC3をbaitとしたyeast two-hybridスクリーニングで取れてきた

結果②   LC3-interacting domain(LIR)を欠損した FAM134B mutantでは、によるER-phagyが低下する

結果③   FAM134BのKDの細胞でERの面積が肥大化する。FAM134BのKOマウスではERタンパク質の発現が高くなっている。その他様々な表現型がマウス個体レベルでも出る。

考察       FAM134BによるER-phagyは、加齢に伴うオートファジー活性の減衰と相まって、ERのターンオーバーを低下させ、折りたたみ不全タンパク質が含まれるERが蓄積してしまうと考えられる。

FAM134Bがオリゴマーを形成してER膜を切り取る、という話を以前やりました*3が、その報告の前に、FAM134BをER-phagyの制御因子として同定した論文を読んでみました。個体レベルの話はともかく、細胞レベルでのFAM134Bの機能は丁寧に解析されている論文と思います。データがとても綺麗でサクサク読めました。

*1:このグループはユビキチンプロテアソームシステム(UPS)とオートファジーという2つの主要な分解経路の分子機構を研究しているラボのようです。こちらのlinkより。

*2:https://www.nature.com/articles/nature14498

*3:

sudachi.hateblo.jp