ERの形態を制御するBCL-2ファミリーや複数の化合物 (Cell Death & Differentiation 2012年9月7日号掲載論文)

結論から言うと、ERの形態を制御するBCL-2ファミリーや複数の化合物を同定し、ERの形態を変化させると、hERGというチャネルの分布が変化し、hERGが担う機能が細胞全体として低下することを示した論文。

 

本日は A novel cellular stress response characterised by a rapid reorganisation of membranes of the endoplasmic reticulum. という論文で、イギリス Department of Biochemistry, University of Leicester の Dr. Gerald M Cohen のグループ。(どういったラボ?→*1)による研究。(論文サイトへのlink→*2

  

 構造に分けて解説。

背景 ERストレスは、多くの生理学的・疾患的プロセスで発生し、アンフォールドタンパク応答(UPR)を活性化させることで知られている。

課題 BCL-2ファミリータンパク質はUPRを制御するが、BCL-2阻害剤のERストレスへの影響はほとんど未解明である。

目的  ERストレスと独立した、リバーシブルなER形態の変化の分子機構と意義を解明する。

結果① BCL-2ファミリータンパク質の主にMCL-1によって、ERの膜形態が制御されている。

結果② 様々な薬理学的な刺激によって、ER膜の再構成が起きる。

結果③ 薬理学的な刺激でER膜の再構成が起きているとき、hERGというチャネルの局在が低下し、hERGが担う機能が細胞全体として低下する。ERからPMへのこのチャネルの輸送が低下したと考えられる。

結論 ERの形態を制御するBCL-2ファミリーや複数の化合物を同定した。ERの形態を変化させると、hERGというチャネルの分布が変化し、hERGが担う機能が細胞全体として低下する。

BCL-2ファミリーがERの形態を変化させるとは知らなかったです。ここまで様々な刺激でERの形態が変化すると、結局何に反応してERが断片化するのか切り分けていくのが困難だなと感じました。

*1:このグループはアポトーシスの分子メカニズムを研究しているラボのようです。こちらのlinkより。

*2:https://www.nature.com/articles/cdd2012108