細胞老化を味方に筋再生を促す (Nature Communications 2020年2月14日号掲載論文)

結論から言うと、エクササイズをしたとき、間葉系前駆細胞が「細胞老化」を起こし、免疫細胞を動員することで老化細胞をクリアランスすることが、筋の再生・肥大を促すことを示した論文。

 

本日は「Exercise enhances skeletal muscle regeneration by promoting senescence in fibroadipogenic progenitors (エクササイズは間葉系前駆細胞の細胞老化を促進することで骨格筋の再生を促す)」という論文で、札幌医科大学医学部解剖学第二講座 の 千見寺(齋藤)貴子 のグループによる研究。(論文サイトへのlink→*1

 

細胞老化を目印として、免疫細胞を集めてクリアランスをすることで、筋再生&肥大を誘導するという流れがきれいだなと思いました。細胞老化は余計なところにまで免疫細胞をリクルートして炎症を誘導する悪いヤツなのかな?というざっくりしたイメージでしたが、クリアランスという観点で考えると、今回のようにポジティブに働くこともあるのですねぇ。

気になったのが、老化細胞を全身から除去したマウスとかだと、この系が一切動かなくなるので、エクササイズで線維化しやすかったりするのですかね?

 

興味を持たれた方は、今日はabstractの代わりに日本語プレスリリースのリンクをどうぞ。こちら