卒業したよ。4年間の振り返りとOISTでの目標。

この度、4年間通った大学を卒業いたしました。

振り返ります。

 

 

入学する前:受験

思えば入学前こそが、大学4年間の過ごし方のターニングポイントだった気がします。受験に失敗したことです。僕はもともと某旧帝大を志望していたんです。しかしセンター試験で大コケして、今まで名前も聞いたことのない地方大に進学することになっちゃいました。このミスった原因は決して僕がセンターでマークミスをしたとか、交通事故にあったとかの運が悪かったせいではなくて、単純に勉強を始めるのが遅かったからだと解釈しています(そもそも僕は結構運も実力の内と思ってる派ですし。今朝母親にも、「努力で運を呼びよせる子なんだから頑張りなさい」と言われた)。少し昔話をすると、僕は高校受験のとき、わりと勝ち組で成功しちゃいました。通っていた塾では途中から入ったのに1番になれたし、受験も自分の行きたい高校に全勝し、「オレ天才じゃね?」って天狗になってた訳です。それもあって高1,2の間はあんまり勉強せずに遊んでました。そして高校3年生になって、高1,2の間にサボってたツケを取り返しながら勉強してて、ついには間に合わずに撃沈という訳です。このときの悔しいという気持ちを忘れずに、そして、同じことを繰り返さないために、大学に入ったら圧倒的努力で見返してやる!という誓いを立てました。

 

 

1年生

そこでわりと近くにあった某旧帝大のサークルに入ることになります。受験で失敗して、勉強嫌になると思いきや、おれには勉強の才能がないと卑屈になると思いきや、全然そんなことはなく、「何が東大京大だ。おれもあいつらに負けず劣らず賢いに違いない。たまたま受験というゲームに向いてなかっただけだ。」という気持ちで過ごしてました。そして、某旧帝大の英語でディベートやらスピーチやらをするサークルに外部の大学生として乗り込んだ訳です。そのサークルの旧帝大の生徒に間違われても恥ずかしくないくらい、むしろそいつらを圧倒するくらいになってやる、と意気込んでスタートしたのでした。

また、進路を考え始めました。高校生のときから、何となく研究って好きかも、と思っていたので研究者になるべく努力することに決めました。どうせならどんな人でもアッと驚くすごい進路がいいなと密かに承認欲求をこじらせつつ企んでいたので、ハーバード大学MIT等のPh.D.コースを目指して、アメリカ大学院留学の計画を立てました。

目標が決まればやることは明瞭で、(簡単とは言ってない)

  1. TOEFLアメリカ大学院の足切りである100を超えること
  2. GPA(大学の成績)はかぎりなく満点を目指すこと、少なくとも首席になること
  3. 研究室配属前から、推薦書を書いてもらえるようなビッグネームのラボで、ある程度の研究経験をすること

上記の3点を念頭に置いて大学生活を過ごしていました。

しかし大学1年生の間は、大して良い成績も取れず、サークルで英語が身につくこともなく、ただただ沢山の友達や優秀な先輩と出会えただけでした。結構遊んでしまいました。今思えばネットワーキングという意味でこういう時間を過ごせる機会は少ないですし良かったと思ってます。(特に文系の子と仲良くなれて、多様な価値観に触れ、みんな尊敬できたのが嬉しかった!それまで理系至上主義で、文系の人たちを等しく見下していたので笑)

要するに、志は高いけれど、そこそこ勉強頑張ってるだけの、いわゆる「意識高い系」大学生の完成!という訳でした。

 

2年生

大学に行っても変わらん毎日で、自分が苦手だと思ってた物理とか数学とかはそれなりに身についたことにして勉強を終了し、サークルは既に飲み会要員になりつつあり、このままではいかん!と考えるようになりました。思い切って興味のある研究室のボスに連絡を取りました。半年ほど、見習いの研究生として受け入れてくれることになりました。研究と授業の両立が始まりました。2年後期からは「やっぱし研究おもろいんじゃね?」ってなってきて、授業よりも研究を優先するようになりました。しかし年度末にサイエンス・インカレという学部生の研究コンテストに応募するも書類で落ちました。やはり現実は厳しいです。

 

3年生

とりあえずラボ畜になりつつ、気ままに遊んだりしてました(あんまり記憶がない。。)授業の勉強は少し疎かになってのですが、配属前なのに研究室に入り浸っている利点を活かし、優秀な先輩からの過去問を頂いたり、わからないところを聞きまくりました。成績は満点からは程遠いですが、首席くらいにはなりました。そろそろ英語の勉強しないと~って思ってたんですが、TOEICすらあんまり思ってた点が取れず、またまた現実の厳しさに直面しました。進路を色々と考えて、アメリカ大学院から、日本の大学院に変更しました。(誰にも言ってないけれど、このときは本当に泣いた。今まで目指していた目標が消えたので。)年度末に筆頭論文が1本でました。去年落とされたサイエンス・インカレにも採択されました。

 

4年生

研究は楽しいけれど、このままずっとこの研究室にいてもだれてきそうだな~。環境変えてみたいな~っていう意識が芽生えはじめました。隣の芝生が青く見えるってやつです。留学しました。4ヶ月のアメリカへの留学はめっちゃ楽しかったんですが、「まあ研究やるには日本でもええな、ていうか自分って日本好きやな」っていう感想です。アメリカを神格化しすぎてました。(今思えば大学院留学できなかったこともそこまで悔いてないです。アメリカならどこでも良いわけじゃない。「自分の綿密な準備」と「巡り合わせ(ボスやラボとの相性。これに対する準備というか、リサーチこそめっちゃ大事)」が成功の鍵かなと思ってます)次留学するとしたら、本当にやりたい研究テーマが自分の中にあって、それを出来るラボが日本にないときくらいですかね。あと、日本に帰ってきてから学会で賞をとれました。サイエンス・インカレにはまた落ちました。年度変わってからですが、筆頭(Co-First)論文が最近1本でました。

 

最後にひとつディスカッション

振り返っていると今後の成功の鍵は、「悔しいという気持ちをいかに保ち続けるか」にかかっている気がしてきました。研究者としてのモチベーションは、「患者を救いたい」とか「この仮説を立証したい」とか、そういうもっともらしいものにドライブされた方が一番わかりやすくてカッコいいと思ってるんですけど、僕の場合は「以前こういうことで後悔したからイヤだった」とか「あいつに負けて悔しかった」とか「ボスや先輩から嫌われたらイヤだな」とか、そういうネガティブな気持ちの方が強いんです笑。そこで学部4年間の内、特に悔しかったことを備忘録的にまとめておこうと思います。貪欲に向上心を持っていきたいので、自分を批判的に見る思考を張り巡らせて分析してみます。

 

悔しかったこと第一位

サイエンス・インカレ選考落ち(2回)

→書類の書き方も研究の進め方もがまだまだ下手。論文が出てるのはボスのおかげ。

 

悔しかったこと第二位

アメリカの留学先で論文にまとめられるほどの結果を出せなかった。

→最初の一ヶ月で実験教えてもらう指示待ち人間だったことと、あと行く前に打ち合わせしなかったことが痛かった。

 

悔しかったこと第三位

データ処理について適当で、後から考えると不適切なデータの示し方をしてしまった。(端的に言うと、僕の中では捏造してしまったことと同義なくらい反省している)

→具体的には、論文化を急ぐあまり、自分の研究が本当に誰がやっても同じ結果が得られるような再現性の高いものであることを証明せずに終わった(再現性が高いと信じてはいるけれど)

 

悔しかったこと第四位

自分が学部でやった研究が本当に神経変性疾患の患者さんにリーチするかと言われると、そういう未来がどう考えても1ミリも想像できないこと

→これはアカデミックな業界にいる限り、本当に悩み続けるであろう課題。。お医者さんだけじゃなくて企業の人ともコラボしていく姿勢が大切なのかな。

 

悔しかったこと第五位

幅広い分野の勉強に手を出したが、ほとんど忘れて身につかなかった。

→やっぱり大事なのは日頃からその内容を活用して身につけることだと思ってます。

 

悔しかったこと第六位

人脈を増やすことにこだわるあまり、一人ひとりと密に関われなかった気がする。

 

悔しかったこと第七位

TOEFL100点目指してたけど56点しか取れなかった。

 

 

上記踏まえて、新天地での目標を考えました。

  • (サイエンスを全力でやることは前提として)論文の数を書くことや、実績に固執するよりも、自分の人生のQOL(家族・友人・恋人との時間や健康や沖縄でしかできないこと)を優先する。←新年の目標にも書いたけど、要はメリハリをつけて、処理速度を3倍くらいに速くしたいってことです。
  • 年齢や職業に限らず、一緒に何かをして楽しいと思える人とコネクションを作れるようにがんばる。
  • 長い付き合いになるような、色んな国籍の友達を作る。
  • 理系の友達に自慢できるような、発明・発見をして論文を書く。
  • TOEFL100点以上(もしくはそれに準ずる英語力の証明を)取る。

 

 

曲がりなりにもドクターの学生になってしまったので、毎日論文読むやつまたぼちぼち再開しようかなと思ってます。今回はこの辺で。

アメリカに4ヶ月研究留学した感想

4ヶ月間、アメリカのとある研究所に留学して来ました。

とりあえず、技術的にも、サイエンスに対する向き合い方という意味でも、思ったより多くのことを学ぶことができました。

 

「なんか楽しそうだから」という超適当な理由で留学してしまいましたが、あり得ないくらい親切で優秀な研究室の方々のおかげで、とても有意義な4ヶ月間になりました。当初かかげていた、日本にいるときよりもサイエンスを楽しむ!という目標は十分に達成できたと感じています。環境を変えることで得た学びは多く、ゆっくりと自分自身を見つめ直す時間を取れたことで、日本にいては到底気付かなかったであろう伸ばしていくべき長所と、改善していきたい部分が見えてきました。

 

そして留学で得た1番の気付きは、

「自分は本当に本気で、サイエンスが好き」

ということです。

 

ここで少し昔話をさせて下さい。実は日本で大学院(ドクター)に行くか迷ってたときからずっと、自分が研究が好きなのか自問していました。特に他にやりたいこともなかったので、「なんかカッコいい」と思って研究を始めたけれど、結果は思うように出ないし、時間ばかりが過ぎていき、お金がもらえる訳でもなく、、、。本当に自分は大学院でやっていけるのか不安でした。でも、研究が好きな自分を必死に肯定していたら、いつの間にか本当に好きになってしまったのです。

 

具体的には、

・眼の前にある現象を自分が世界で初めて発見しているっていう感覚
・できないことをトライアル・アンド・エラーで試し続けてうまく行ったときの達成感
・自分が立てた仮説の通りの仕組みが生命の中に潜んでいたときの爽快感、感動

 

を楽しんでいると自分に言い聞かせることで本当に研究が好きになりました。

留学先でもこの気持ちを大切に、業績を上げるというプレッシャーはできるだけ排除して研究に向き合って、たまには研究から距離を置いてみたりしましたが、やっぱり研究が、サイエンスが好きでした。この魔法が解けたら潔く研究をやめようと思いますが、まだしばらくは好きという気持ちを大切に研究を続けていきたいと思います。

ブログから離れてみて感じたこと

このブログは2ヶ月ほど前から、毎日続けることを目標にして論文のレビューなどを書いてきました。

しかしこの半月ほど、ブログを更新しませんでした。

「毎日論文読んでたら、本業の実験とか書類かくのが滞ってない?自分のキャパ考えてブログ更新ストップするかー。」

という感じで、戦略的にあえて(のつもりで)ブログの更新を止めました。

 

そして、いざブログを更新しないとなると、論文読むのは適当になるし、書類かくのも別に特段進む訳でもなく。。。

日々の日課1つとして、11本アニメを見るというのを入れていたのですが、続きが気になりすぎて一気見してしまい。。。

 

という感じで全く研究のことが進んでおりませんでした!

あと1週間ちょっとで帰国なのに! 

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ここ2週間くらいのぼく

 

日本のボスから論文校正メールが来たり、初めてブログにコメントいただいたり*1、ラボのみんなに送別会ランチしてもらったりする内に、やっとスイッチが入りました。もう日本に帰るまで時間がないぜよ。集中してタスクを片付けていくぜよ。

 

この経験からわかったことをまとめときます。

ここ2週間くらいアニメ見て浮かれてたけど、自分は何かが気になったとき、それに取り付かれてしまって集中してしまう。締切前になったらそのタスクに集中するし、アニメの続きが気になったら次の話が何か気になるし。

本来の自分は、アニメを見るよりもサイエンスについて調べてたり論文を読んでた方がずっと楽しいけれど、息抜きでアニメ見て気になったらそればっかりに集中してしまうのだ。

 

つまり自分に必要なのは、常に自分をサイエンスに向かわせてくれる(ようなプレッシャーやコミュニケーションが存在する)環境である。

 

そのために自分自身に、毎日論文を読むっていうプレッシャーをかけたことはかなり良い効果があった。

そして、書類作成のような別のタスクに集中するためにそのプレッシャーを解いてしまうと、書類作成が進むことはなく、本来好きなはずのサイエンスについて調べるモチベーションも低下した。(サイエンスについて調べていても、いつも「めっちゃ面白い」って思える記事や論文に出会える訳ではないので、「そもそもモチベを保ち続ける」ことが困難だった。まあ僕のサイエンスが好きって気持ちもその程度なのだろう。僕にとってサイエンスを通じて得る知的興奮は何物にも変えられない感情なのは確かなのだけれど。それを得るためのハードルがちと高かったということ)そして、「続きが知りたい」という欲求を通じて、より安易に知的好奇心を満足させてくれるアニメを一気に見ることで、その欲求不満を解決したのである。

 

いや、目を覚ませ自分。サイエンスに対する集中を自分で途切れさせて何のメリットがある?

ということで、毎日更新とは行かないと思いますが、3日に1回くらいのペースでブログを再開したいと思います。論文のレビューが中心になるかと思いますが、やる気があるときには僕が感じたtipsや体験談を載せたいと思います。

 

自分への励ましとして、以下でこの記事のシメにします。

「継続は力なり。」これは確かなのだけれど。

「継続するぞ!」と意気込んで、3日坊主になってしまっても落ち込むことはない。

「人間は弱い」のだから、大事なのは途中でやめてしまったことを復活させることだ。

よし、がんばろう!

*1:ほんとに嬉しかったです、ありがとうございますです

OISTの倍率って実際どのくらい?コネなし地方大の学部生がOIST大学院合格するには?

OISTってご存知でしょうか?

すごく素敵な大学院ですよ!

入学すれば、
院生なのに、
月20万もらいながら、
最新の設備に囲まれて研究ができます!!

海外の大学院みたいですね。*1OIST初めて聞いた方はこの動画に圧倒されてみて下さい。

youtube.com

それでは今回は、OIST 大学院に合格するために僕ががんばったことをまとめてみます。 

 

<目次>

 

そもそも OIST の院試ってどんな感じで進むの?倍率は?

ざっくりとまとめると、

書類選考により200-400人の応募*2の中から、約80名に絞られ、面接に招待される

面接で約50名が最終的に合格する

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具体的な数字まとめ。倍率・学士卒の割合など

という感じです。倍率10倍以上!!なんて記事をたまに見かけますが少なくとも2016年までは10倍以下ですね。あと書類通過後の倍率は例年2倍もないので、面接に呼ばれた時点でかなりいいところまで来てると自信持っていいと思います。また、学士卒の割合を見ると、やはり修士を出て入学する人が多いようですが、学部生にも全然チャンスがあることがわかります。

具体的な院試の概要をまとめると、

書類審査は、

  • 推薦書 (書式自由)・志望動機 (400wordsで科学的な興味と入学してしたいことの作文)・TOEFL・成績・GREとかあれば

という感じです。

 

面接は、

  • OISTの教員 (ランダムだけど自分の専門に近い人が1人はいる) による1対1の面接30分×5回
  • 自分の専門から遠い先生との面接には、素人にもわかりやすく自分の研究を説明する能力が求められる (とはいえほとんど雑談形式だったので気楽に。) 「なんでOIST受けたんですか~?」のように何げない質問が飛んでくるので、正直に答える。応募者の性格がOISTにマッチしてるかを観察されているイメージです。正直面接まで来てる人でこのタイプの面接で差はつかないと思う。
  • 専門に近い先生との面接には、ガチの専門性を持ってるのか、ゴリゴリの専門トークが繰り広げられる。ここで盛り上がれば面接を合格できる可能性が高い気がする。

内容についてもっと詳しく知りたい方はこちらの

沖縄科学技術大学院大学(OIST) | 沖縄高専を知ろう

沖縄高専の方のページも参照されてください。(この記事の中にある3時間の筆記試験は僕の時はありませんでした。)

 

院試勉強をどのようにこなしたか?研究や英語の勉強との両立は?

当時の僕のスペックを振り返ると、、

  • 地方大の学部4年生
  • OISTの内部に知り合いなんて1人もいない。OISTの先生にも当然コネなし
  • インターンなどでOISTに行ったこともなし
  • TOEFL受けたことないけどTOEICは800くらい
  • 研究は好きで2年からやってたのでファーストで査読付き論文1本、学会発表複数
  • 面接後に約半年のアメリカ留学予定

という感じでした。もともと海外の大学院に行きたかったので、英語サークルに入ってたのと、研究が好きで2年の時から研究室に出入りさせていただいていたことがラッキーでした。もちろん必ずしも論文を持っていたり、学会発表の経験は必要ないと思います。

 

院試勉強に関してですが、結論から言うとしてません。笑

OISTの入試の形式を見るとわかると思いますが、この入試は座学的な知識を問うという側面がほぼないので、院試のための勉強という行為は一切しませんでした。*3

 

英語に関してはTOEFLのスコアある程度欲しいなと思っていたのですが、OISTのホームページ等を見る限りは英語力で足切りすることはないっぽかったので、ほぼ対策なしでTOEFLに臨みました。もちろん結果はさんざんでした。。。*4

 

勉強も英語もせずにひたすら研究してました。なので、自分の研究についての知識はかなりついていたと思います。

 

書類作成

必要な書類をもう一度リストアップすると、
推薦書 (書式自由)・志望動機 (400wordsで科学的な興味と入学してしたいことの作文)・TOEFL・成績・GREとかあればという感じです。ちなみに僕の直感で大事だと思った順に並べてます。

推薦書はめっちゃ大事なので次の項に書くとして、志望動機はとりあえず日本語ベースでもいいので書いたらすぐに色んな人に見せましょう。研究室に張り出して全員に見てもらうくらいの覚悟いきましょう。特に推薦書を依頼する先生には、自分の志望動機と推薦書に一貫性がないといけないので、事前に志望動機を読んでもらうことを勧めます。

以降はぶっちゃけそこまで重要じゃない (と思う) 書類について。
TOEFLは上で書いた通りほんとに残念な点数しか取れていません。それでも何とかなるので安心して下さい。OISTTOEFL最低点を設定していないのは本当です。
成績は提出が求められますが、面接で一度も話題になりませんでした。あんまり低いと問題になるとは思います。僕は一応学部の中で首席でしたが、東大の中間層と地方大の首席、研究者としてどっちが優秀?って単純に比較できないので、そこまで低い成績じゃなければあんあまり気にしてないのかな?という印象です。GREもあれば出すといいですが、なくても合格できます。

 

推薦書を書いてもらう (←めっちゃ大事)

OISTのホームページ等に記載の通り、推薦書はかなり大切なファクターです。自分のことをよく知る先生に書いてもらいましょう。締切があるので早めにお願いするべきです。僕は所属している研究室の教授・准教授に加えて、うちでポスドクから他大学の助教になった先生 (イタリア人) にもお願いしました。自分の業績などをCVとしてまとめておいてから、それを添えてお願いメールを出すと、具体的なエピソード+客観的な業績で説得力のある文章に仕上げてもらえるはずです。OISTのリサーチインターンを経験した方なら、そのとき受け入れてもらった先生に推薦書を書いてもらうのもとても効果的です。

裏話ですが、「OIST是非入学したいです~」と面接が終わった後にOISTの日本人の先生とお話していると、推薦書がめっちゃ良かったので、面接やらかしてなかったら受かってると思うよーと言われました。それくらい推薦書は大事です。

 

いざ、面接へ

まず面接の前段階での対策について

僕のようにコネがない人は作りに行くべきです。面接をするのも合格を決めるのも機械ではなくて人が行います。そりゃあ色んな先生に自分を売り込んでおいた方が、合格する確率はあがるはずです。

OISTではサイエンスチャレンジやリサーチインターンなどで学生を募集しています(旅費含む生活費の負担なしでOISTに行けます)。イベントがやインターンの機会がなくても、興味がある先生がいるなら自費でラボ見学させて下さいと言って会いに行くのも手です。

 

「えー!もう時間ないし、OISTに行ってる暇ないよ!」
という方、安心して下さい。

 

僕も行動が遅かったので事前にOISTに行けてません。笑

 

しかし、それでも何とかあがいて、アピールの機会を作ることにしました。

  1. 学会に参加して、OISTの教授と話す。
    OISTの面接の直前に東京で開催された細胞生物学会に参加して、懇親会の際に発表にいらしていたOISTの先生を捕まえて会話することに成功しました。残念ながらその教授は面接の日に出張があって来れないとのことでしたが、代わりに面接のお役立ち情報を教えていただきました。それが次です。

  2. エクストラ面接を自ら申し込む。
    自分の専門に近い人と面接をするときに、きちんと専門性をアピールできるかが面接突破のカギ、と考えているのですが、そもそも本当に自分の専門を理解してくれる先生が面接の担当になってくれるとは限りません。そこで、自分から気になった先生を逆指名するのです。事務の方にお願いして希望する教員を伝えれば、面接の空き時間や、食事時間の際に高確率で会わせてくれます。僕は面接ツアー2日目のタイミングで事務の方にお願いに行き、面接の予定のなかった先生とお話する時間を頂きました。 (僕の場合は専門が近い先生というよりは、単に興味があってお話がしたい方を逆指名しました)

 

いよいよ面接本番です。面接ツアー全体の様子については過去記事を参照して下さい。

sudachi.hateblo.jp

面接のときに気をつけたことですが、僕はTOEFLの成績からわかるように英語が得意ではありません。*5なので、研究概要のわかりやすいイメージをスライドにしてタブレットにいれておき、それをもとにして研究を説明しました。あと、どんなに英語に自信がないとしても、胸を張って自信のある話し方を意識しました。説明が理解されていないようでも挫けずに、何度も言い換えて堂々と説明し直しました。

面接の前にはこちらの記事を参考にしていたのでシェアしておきます。

アメリカ大学院 RAの面接の心得 | 小野雅裕のブログ

 

おまけ

OISTの面接ツアーでは食事の際に先生方も同席して下さるので、そこでもお話できます。いいアピールの機会なので積極的に話しましょう。研究の話をしてもいいですし、こんなきっかけでOISTを知りました~なんていう会話をしてもいいですね。

学会でお会いした研究員の方によると、食事の際に協調性があるかどうかも、採点対象になっているみたいですよ。無理にガツガツ話に行く必要はないですが、差別的であったり、法律に触れるような発言をすると一発アウトになったりするらしいので気を付けて下さい。

 

それでは今回の記事はこのへんで。
OIST院試に臨む方に幸運が訪れますように。合格したらOISTキャンパスで会いましょう!

*1:実は僕はもともと海外の大学院に留学するつもりだったのです。今のボスの先生と親に止められて日本の大学院に進学することにしましたが、普通の大学院やだなーって思ってたときに見つけたのがOISTでした。

*2:参照元はこちら↓

https://groups.oist.jp/sites/default/files/imce/u103321/FY2016_SC_Business_Report%EF%BC%88Final_for_Web%29Japanese..pdf

*3:大阪大学に併願もしましたが、理学部の奨励入試制度を利用したので、そちらも面接だけで合格しました。

*4:R:14 L:15 S:14 W:13 Total:56 TOEFLできなくてもOISTには入れます!あきらめないで!

*5:日本人ラボの中では結構話せる方ですが、他のOIST受験生と比較したら最底辺レベルかと

呼吸鎖複合体の障害により寿命が延長する (Cell 2011年1月7日号掲載論文)

結論から言うと、呼吸鎖複合体の障害によって寿命が延長し、mitoUPRシグナルが全身に伝播することに依存することを示した論文。

 

ということで今回abstractを全訳するのは、2011年1月7日号のCellに掲載の「The cell-non-autonomous nature of electron transport chain-mediated longevity. (電子輸送鎖が仲介する寿命の細胞非自律的な性質。)」という論文で、米国 The Salk Institute for Biological Studies の Dr. Andrew Dillinの仕事である。*1

 

Abstract

The life span of C. elegans can be increased via reduced function of the mitochondria; however, the extent to which mitochondrial alteration in a single, distinct tissue may influence aging in the whole organism remains unknown. We addressed this question by asking whether manipulations to ETC function can modulate aging in a cell-non-autonomous fashion. We report that the alteration of mitochondrial function in key tissues is essential for establishing and maintaining a prolongevity cue. We find that regulators of mitochondrial stress responses are essential and specific genetic requirements for the electron transport chain (ETC) longevity pathway. Strikingly, we find that mitochondrial perturbation in one tissue is perceived and acted upon by the mitochondrial stress response pathway in a distal tissue. These results suggest that mitochondria may establish and perpetuate the rate of aging for the whole organism independent of cell-autonomous functions.

 

以下私訳。C.elegansの寿命は、ミトコンドリアの機能低下によって増加する可能性がある。 しかしながら、単一で別々の組織におけるミトコンドリアの変化が、生物全体における加齢に影響する可能性があるかは不明のままである。 著者らは、電子伝達鎖 (ETC) 機能に対する操作が細胞非自律的な様式で老化を調節することができるかどうか、という問いを立て研究を進めた。主要組織におけるミトコンドリア機能の変化が、長寿のきっかけとなり、それを維持するためにも不可欠であることが示された。 著者らはミトコンドリアストレス応答の調節因子が、電子伝達鎖(ETC)長寿経路に不可欠であり、特異的な遺伝学的必須条件であることを見出している。 驚くべきことに、一方の組織におけるミトコンドリアの障害が、遠位組織におけるミトコンドリアのストレス応答経路によって知覚され、作用することが発見された。 これらの結果は、ミトコンドリアが細胞自律的な機能とは独立して、生物全体の老化の速度を緩和し得ることを示唆している。

 

以前の記事で"mitokine"について紹介した。

sudachi.hateblo.jp

この論文が、おそらく初めてmitokineという存在を提唱したのだと思う。驚くべきことだ。

樹状突起はいかにして正しくはりめぐらされるのか? (Journal of Neuroscience 2010年7月21日号掲載論文)

結論から言うと、「樹状突起がいかにしてはりめぐらされるか?」に関する分子メカニズムに、Rpd3とProという遺伝子が関与していることを提案した論文。

 

ということで今回abstractを全訳するのは、2010年7月21日号のJournal of Neuroscienceに掲載の「Histone deacetylase Rpd3 regulates olfactory projection neuron dendrite targeting via the transcription factor Prospero. (ヒストンデアセチラーゼRpd3は、転写因子Prosperoを介して嗅覚投射神経の樹状突起形成を調節する。)」という論文で、先週から引き続き、米国 Stanford University の Dr. Liqun Luoの仕事である。*1

 

Abstract

Compared to the mechanisms of axon guidance, relatively little is known about the transcriptional control of dendrite guidance. The Drosophila olfactory system with its stereotyped organization provides an excellent model to study the transcriptional control of dendrite wiring specificity. Each projection neuron (PN) targets its dendrites to a specific glomerulus in the antennal lobe and its axon stereotypically to higher brain centers. Using a forward genetic screen, we identified a mutation in Rpd3 that disrupts PN targeting specificity. Rpd3 encodes a class I histone deacetylase (HDAC) homologous to mammalian HDAC1 and HDAC2. Rpd3(-/-) PN dendrites that normally target to a dorsolateral glomerulus mistarget to medial glomeruli in the antennal lobe, and axons exhibit a severe overbranching phenotype. These phenotypes can be rescued by postmitotic expression of Rpd3 but not HDAC3, the only other class I HDAC in Drosophila. Furthermore, disruption of the atypical homeodomain transcription factor Prospero (Pros) yields similar phenotypes, which can be rescued by Pros expression in postmitotic neurons. Strikingly, overexpression of Pros can suppress Rpd3(-/-) phenotypes. Our study suggests a specific function for the general chromatin remodeling factor Rpd3 in regulating dendrite targeting in neurons, largely through the postmitotic action of the Pros transcription factor.

 

私訳と勝手な注釈。軸索誘導の機構と比較して、樹状突起誘導の転写制御に関してはほとんど知られていない。古くから研究が進んでいるショウジョウバエの嗅覚系は、「樹状突起がいかにしてはりめぐらされるか?」という機構において特異的な転写制御を研究するための優れたモデルをである。投射神経(PN)[*投射神経とは、軸索をその神経が属している神経集団(例えば神経核など)に限定する介在神経とは異なり、異なる領域間の情報伝達を担う神経のこと]はそれぞれ、その樹状突起を触角葉[*ショウジョウバエの触覚:antennaの機能を司る能の部位]内の特定の糸球体[*腎臓にある糸球体のことではなく、同じ種類の嗅覚受容体を発現する神経が集まっている場所のこと]に投射し、その軸索を脳のより中心に投射する。順遺伝学的なスクリーニングにより、著者らはPNの投射特異性が崩壊してしまう因子として、Rpd3の突然変異を同定した。 Rpd3は、哺乳動物のHDAC1およびHDAC2に相同なクラスIヒストンデアセチラーゼ(HDAC)をコードする。 Rpd3(-/-)PNの樹状突起は、通常は触覚葉の背側の糸球体に投射するはずだが、内側の糸球体に誤って投射してしまい、軸索は重度の過分枝表現型を示す。これらの表現型は、Rpd3の有糸分裂後の発現によってレスキューすることができるが、ショウジョウバエに存在する唯一の他のクラスI HDACであるHDAC3ではレスキューされない。さらに、非定型[*普通ではない]ホメオドメイン転写因子Prospero(Pros)を破壊すると、同様の表現型が得られ、これは分裂終了後のニューロンにおけるPros発現によってレスキューすることができる。驚くべきことに、Proの過剰発現はRpd3(-/-)表現型をも抑制することができる。これらの結果は、主にPros転写因子の分裂終了後の作用を通して、ジェネラルなクロマチンモデリング因子であるRpd3の、樹状突起投射調節における特定の機能を示唆している。

 

 

この2つの遺伝子に、どういう相互作用があるのかな?と少し読んでみたが、

仮説1. Rpd3落としたときにProの発現変わる?By 免疫染色→No

仮説2. Rpd3Proが直接結合して、Pro下流の標的遺伝子発現を変化させてる?By co-IP→No

仮説3. Rpd3が直接Proを脱アセチル化して、その機能を変化させてる?By HDAC阻害剤添加後、免染 or mass→No

ということで、この論文の結論は、直接的ではないけども、何かの相互作用があって、rpd3Proの機能に影響を与えているとのこと。

例えば、Proはリン酸化受けるから、rpd3がなくなることで、何かキナーゼのはたらきが落ちて、Proの機能が低下してしまう?などの仮説が書かれていた。

発見としては面白いが、やはりこの2つの相互作用まで突き止めて欲しかった。せめてChIPくらいできなかったのだろうか?

勝手に改訂版:落合陽一の論文を爆速で読むフォーマット

<目次>

 

こんな方に向けて書いた記事です

いやあ論文が読めない。読まないといけないことはわかっているけれども読めない。そんな大学生が書いた記事です。「僕のような論文を読むのに慣れない学部生」や、「実験に忙しくて、ここだけの話、論文を読むことが習慣化していない、、なんていう院生」の方には参考になると思います。結論から言うと、論文が読めなかった学部生の僕が一ヶ月に25本くらいのペースで、ほぼ毎日論文を読んで得たことをアウトプットすることに成功しました。

論文を読んでいても意味不明すぎて、シュレッダーにかけたくなる気持ち、すごくわかります。この記事を読んだ人が少しでも論文が読めるようになれば幸いです。

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落合陽一の論文を爆速で読むフォーマットとは??

落合陽一先生が提案されている、論文を爆速で読むフォーマットというのをご存知でしょうか。

このブログでも1度触れましたが、以下の記事で僕は知りました。

lafrenze.hatenablog.com

そして実際に試してみたところ、正直に言うと続きませんでした。

 

どうしてこの素晴らしいフォーマットを活用できないのか?

問題があるとすれば次のどれかに当てはまっていた気がします。

  1. ある特定の情報が知りたいというモチベーションで論文を読んでいて、その情報が手に入った時点でフォーマットの項目を埋める気にならない。

  2. どうせ自分が参考にするだけなので、埋まらない項目があっても諦めがちになる or 適当に項目を埋めてしまう。*1

  3. そもそもこのフォーマットは落合陽一先生がよく読まれる分野の論文を読むことに最適化されているため、別の分野に流用した場合、埋まらない項目の出現確率が高い。*2

  4. 原因が何にせよ、埋まらない項目ができてくると、このフォーマットにまとめる意義がわからなくなり、いちいちスライドを作製するのが煩わしくなり、一気に続けるモチベーションがなくなる。*3

 

僕が考えた勝手に改訂版

そこで、この素晴らしいはずのフォーマットを使いこなせない現状をどうにかすべく、勝手に改訂してみました。具体的にどのように改定したのかは以下の通りです。

  1. アウトプットの方法を「パワーポイントスライドでフォーマットを作製する」から→「ブログにアブストラクトの全訳をベースにした論文の解説記事を書く」に変更。

  2. フォーマットの各項目を埋めることにこだわらず、自分で設定した問いを意識して記事を作成。具体的には、以下の項目を意識しています。(意識しているだけで、必ず記事に盛り込まなくても良いというルールにしています。)

    ・要するに??(何をどうやって検証したのかを短く。)
    何が新規性として強調されている??

    ・技術・手法・アイデアなどで、すごいと思った点。
    ・この論文の限界として感じたことがあれば。
    ・Discussionで興味深い仮説や解釈があれば。
    ・この論文を読んでさらに知りたいと思ったこと。

  3. アウトプットの最低ラインを2段階に分けて設定。
    段階1:論文を1日1本読んで、少なくともアブストラクトの全訳をブログにアップロードする。
    段階2:保険として、論文に関係なくても良いので、新しいブログ記事を1日1本はアップロードする。

  4. マルチタスク禁止令の敢行。まずは1日1本という目標を達成するために、眼の前の論文の理解に集中する。論文を読んでいて、気になったことがあった場合はもちろん調べるが、論文の内容を理解する以上の知識を得ようとした段階で、5分のタイマーをスタートさせ、5分以内に論文の解説を書く本来の作業に戻る。

 

それぞれの改訂のねらいは以下の通り。

  1. ブログにアブストラクトの全訳をベースにした論文の解説記事を書くということは、基本的にはgoogle翻訳に突っ込んで日本語的におかしなところを直していけば終わります。まず、続けるためにハードルが低いので効果的です。

    そんなことして意味あるの?と感じますが、かなり英語が読める方や論文を読んでいる人じゃない限り、英語のまま流し読みすると理解したつもりが理解できていない、という状況になっています。英語で斜め読みをしようとするとそうなります。そういう訳で、最新の論文アブストを日本語に直すだけでもわりと意義があります。

    とは言うものの、アブスト訳すのは単なる取っ掛かりであり、これだけでは論文を読んだことにならない (訳がわからない) 場合がほとんどなので、2で立てた問に答えることを念頭に置きつつ、自分がわからないところや、論理的に飛躍していると感じたところを論文のメインのページを参照しながら潰していくという手順をとります。

    そして、パワポからブログという変更により、誰かが読むかもしれないと思って記事を書くことができ、適当な記述が減るため自分の理解度も向上します。ちなみに僕の論文解説の記事のフォーマットは恐縮ですが論文ウォッチ | AASJホームページのものを丸パクリさせていただいています。このように参考になるwebページが多いのも、ハードルを下げて論文読みを習慣化するためのポイントです。一方で、そうは言ってもわざわざブログを立ち上げるのがダルいという方は、論文ナビというプラットフォームを活用するのがオススメです。僕もブログの記事からいくつかアップしてみましたが、ユーザーインターフェースが洗練されていてなかなか使いやすいですよ。

    また、落合先生のフォーマットは筑波大学の授業で用いられていたもので、単位を取るためにまとめないといけない、というプレッシャーが生徒のモチベーションにつながっています。僕のように自主的に論文を読む場合、誰かに解説記事を書くという目的を追加することでモチベーションを保ちやすくしています。


  2. そもそも論文が爆速で読めるフォーマットは落合陽一先生がよく読まれる分野の論文を読むことに最適化されていたので、自分が読むような生命科学・医学系論文に沿った問いを立てながら読む、ということを心がけました。


  3. アウトプットを2段階に分けたというのは、単にどうしても論文を読むのがつらい日があるので、プランBを用意しておいたという訳です。僕は新しい論文を読む代わりに、ややこしくて苦手な用語の整理や、明日読むと決めた論文の予告などでつなぎました。「続けられなかった→モチベーション低下」という流れを回避するためのものです。何事も毎日続けるというのは難しいことで、個人個人でそれに対する対策を練っておくことが重要です。


  4. これは最近になって気づいたことですが、マルチタスク禁止令というのが、現状とても効果的に作用しています。これは論文を読むこと以外の作業中でも効果的です。論文を選んでアブストを全訳するという行為自体は、どんなにわからない単語が多くても集中していれば1-2時間程度で終わるはずです。

    しかし論文を読んでいると、、、
    「あ、この仮説が本当なら自分の実験にあの手法組み込めるな~」

    「あ、そういえば自分の使ってるモデル生物であの手法やるにはどうしたら良いんだっけ。」

    「ていうか今日の晩ごはんどうしよう。」

    「暇やしtwitterみよ。」→「あれ、おれ今何してたんだっけ。」

    という状態によくなりませんか??


    僕は頻繁になりますよ!!

    とにかく締切が直前になったりしないと、現状の目の前のタスクに集中できないんですよね。それなら自分で締め切りを設定しようという訳です。*4もちろん疑問に思ったことを追求して調べていくことは良いことで、それによって新たな知識が得られることは多いです。しかし上記の例からわかるように、1つ気になったことをその都度納得するまで調べることは、色々なタスクを中途半端に終えることにつながったり、そもそも最初に行っていた作業を中断するので効率がよろしくないです。例えば論文を読んでいて (論文を理解するのに直接は関係しないけども) 気になったことがあった場合。それをググって、5分以内に「疑問に思ったこと専用のブックマークフォルダ」に入れておく。暇なときや時間ができたときにそれについて調べる。というワークフローがとてもバランスが良いと感じています。

 

結論

何が1番効果的だったかと振り返ると、他人が作ったフォーマットを鵜呑みにせずに、自分で試行錯誤を重ねて改訂を繰り返した点だと感じています。論文を読むために必要な能力はいくつかあると思いますが、どのパラメーターが足りていないのかは人それぞれです。落合先生が作ったフォーマットは完成度が高く素晴らしいと思いますが、自分なりに最適化して運用してこそ本当に強い効果を発揮するという、何とも当たり前の結論に至ってしまいました。

 

ちなみに、論文を読むために必要な能力についてはこちらの記事が面白かったです。

karino2.github.io

それではこのへんで、みなさま充実した論文ライフを!

*1:これらの1と2は、このフォーマットを授業の課題で作成して提出しないといけいないというプレッシャーがあれば上手く避けられると思います。

*2:こちらの記事でも文系の論文を読むときにそのまま使いづらかったと書かれています。長文読めない系人間が落合先生の「論文の読み方」を実践してみた - 東大推薦生の転落人生「これから頑張ります」

*3:僕のような完璧な状態にこだわってしまう気質の人は特にそういう傾向が強いと思います。

*4:これはストップウォッチ勉強法というもので、僕も存在自体は知っていたし試してみたこともありました。しかし、例えば「論文1本を60分で読む」のようなストップウォッチの設定をしていたので、40分だらだら読んでしまい、残りの20分で本気を出すもの満足の行く作業ができず、、、という訳で上手く行かなかったのです。これをマルチタスク防止に応用することがかなり効果的だと感じています。